共同体形成

Community

共同体形成は、 主体的な個人同士が、 孤立した「私」のままで終わらず、 「私たち」へ移っていくことを支える実践領域です。

ここでいう共同体形成は、 人を集めることでも、 仲良くすることでも、 表面的にまとまることでもありません。

目的は、 違いを持った個人同士が、 違いを消さずに関係を育て、 方向性を共有し、 共同体として立ち上がっていくことです。

そのため共同体形成は、 交流中心の場づくりではなく、 相互理解・方向性共有・合意形成の入口を支える実践として位置づけられます。

共同体形成とは

Overview

共同体形成とは、 主体的な個人同士が、 ただ並んで存在するのではなく、 関係を持ち、方向性を共有し、「私たち」として動き始めることを支える実践です。

人は、一人では主体的でいられても、 複数人の場になると、

  • 空気に合わせすぎる
  • 違いを出せなくなる
  • 本音を抑える
  • 方向性が曖昧になる

といったことが起こりやすくなります。

そのため共同体形成では、 まず複数人の場の中で

  • 違いを出せること
  • 相互理解が進むこと
  • 方向性を共有できること
  • 次の一歩の入口を整えられること

を支えます。

つまり共同体形成とは、 人が集まることではなく、 「私たち」が立ち上がることです。

何を目的にするのか

Purpose

共同体形成の目的は、 全員を同じ考えにそろえることではありません。

目的は、 違いを持ったままつながり、 共通する方向性を見いだし、 共同体として前に進める状態をつくることです。

そのため共同体形成では、たとえば次のようなことを支えます。

  • 違いを安心して出せること
  • 互いの背景や価値観を理解できること
  • 「私の思い」から「私たちの方向」へ進めること
  • 表面的でない合意形成の入口を整えること
  • 共同創造へ進むための土台を育てること

つまり共同体形成の目的は、 まとまりを演出することではなく、 共同体の土台を実際に育てることです。

この領域で行われる実践

Practice

共同体形成領域では、 主に次のような実践が行われます。

共同体形成対話会

関係形成と相互理解を進め、「私たち」の土台をつくる実践

ビジョンミーティング

方向性や価値を言葉にし、共有する実践

合意形成会議

違いを整理し、次の一歩を動ける形へ整える実践

ヨコの会議

一対一で、本人の反応・境界・判断を支える実践

つまり共同体形成は、 一つの場だけで成り立つのではなく、

  • 関係形成
  • 方向性共有
  • 合意形成

という流れを持つ実践領域です。

共同体形成対話会

Community Dialogue

共同体形成対話会は、 共同体形成の出発点となる実践です。

ここでは、 まず関係の土台を育てることが重視されます。

必要なのは、

  • 違いを出せること
  • 本音や違和感を抑えずに扱えること
  • 相互理解が起こること
  • 話しても壊れにくい感覚が育つこと

です。

つまり共同体形成対話会は、 共同体形成に必要な 関係の初期条件を整える実践です。

ビジョンミーティング

Vision Meeting

ビジョンミーティングは、 関係の土台の上で、 「私たちはどこへ向かうのか」を扱う実践です。

ここでは、

  • 何を大切にしたいのか
  • 何を目指したいのか
  • どの方向へ進みたいのか

を言葉にし、共有していきます。

つまりビジョンミーティングは、 共同体形成を 方向性共有へ進める実践です。

合意形成会議

Consensus Meeting

合意形成会議は、 共有された方向性を前提に、 次の一歩を動ける形へ整える実践です。

ここでは、

  • 論点を整理すること
  • 違いを確認すること
  • 何が今決められるかを明確にすること
  • 前に進める単位へ落とし込むこと

が重視されます。

つまり合意形成会議は、 共同体形成を 共同創造の入口へ接続する実践です。

ヨコの会議

Horizontal Dialogue

ヨコの会議は、 立場や役割や専門性の違う人たちが、 上下ではなく横につながりながら、 共同体形成を進める実践です。

ここでは、

  • 違いを持ったまま話せること
  • 分断ではなく接続が起こること
  • 方向性共有と合意形成の入口が生まれること

が重要になります。

ヨコの会議は、 単なる会議形式ではなく、 共同体形成を横の接続として立ち上げる実践として位置づけられます。

この実践で重要なこと

Importance

共同体形成で特に重要なのは、 結論を急ぎすぎないことです。

複数人の場では、 早くまとめようとすると、

  • 表面的な同意になりやすい
  • 言えないことが残りやすい
  • 誰かに引っ張られやすい
  • 共同体の土台が弱くなりやすい

といったことが起こりやすくなります。

そのためこの領域では、

  • 違いを消さないこと
  • 相互理解を飛ばさないこと
  • 方向性共有を急ぎすぎないこと
  • 合意形成を押しつけないこと

が重要になります。

共同体形成は、 進めることよりも、 関係の質と方向性の共有を育てることが中心です。

個人支援との違い

Distinct from Selfhood

個人支援は、 一人ひとりの主体形成を支える実践領域です。

一方、 共同体形成は、 主体的な個人同士を 「私たち」へ接続する実践領域です。

つまり、

個人支援一人の主体形成を支える
共同体形成複数人の関係形成と方向性共有を支える

です。

順番としては、 個人支援が土台となり、 その上で共同体形成へ広がっていきます。

共同創造との違い

Distinct from Co-Creation

共同体形成は、 共同体の土台をつくる実践領域です。

一方、 共同創造は、 立ち上がった「私たち」を 現実の実行・継続・成果へ接続する実践領域です。

つまり、

共同体形成関係形成・方向性共有・合意形成の入口
共同創造実行・継続・改善・成果への接続

です。

共同体形成は、 共同創造へ進む前の 必須の土台です。

実践コミュニティとの関係

Relationship with Autonomous Community

共同体形成は、 自律共創実践コミュニティが 最小構造から拡張構造へ進むときの中心実践領域です。

主体形成の循環だけでは、 個人の変化で止まりやすくなります。

そこからさらに、 参加者同士の関係が育ち、 「私たち」として方向性を持ち始めるためには、 共同体形成の実践が必要になります。

つまり共同体形成は、 実践コミュニティを、個人支援から共同体へ広げる中核実践です。

どのような現場で活用できるか

Usage

共同体形成は、 さまざまな現場で活用できます。

たとえば、

  • 実践コミュニティの立ち上げ期
  • 教育コミュニティの関係づくり
  • 新しいチームの土台形成
  • 地域やテーマ型コミュニティの方向性共有
  • 組織内の対話と合意形成の初期設計

などです。

つまり共同体形成は、 複数人が集まり、 「私たち」として立ち上がる必要がある現場で活用できる実践領域です。

共同体形成とは、 主体的な個人同士が、 違いを持ったままつながり、 方向性を共有し、 「私たち」へ移っていくことを支える実践領域です。 そこでは、 共同体形成対話会、ビジョンミーティング、合意形成会議、ヨコの会議 を通して、 共同体の土台と前進の入口が育てられます。

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